西日本新聞 [2008年5月19日]に紹介

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 卒業後は同大聴講生として英語などを学びながら「21番目のやさしさにーダウン症のわたしからー」や翻訳したカナダの
絵本「スマッジがいるから」を出版。ダウン症患者や家族を励まそうと国内外で100回以上の講演を重ね、東北の患者と
も交流を続けてきた。

 
自宅で英語の児童向け絵本の翻訳をしていた3月11日、テレビで津波に街が飲み込まれていく様子を見た。福島県の知
人の中には1か月近くも連絡が取れなかった人もおり、「健康な人でも避難生活はつらいはず。ダウン症や障害を持った人
たちはどんなに大変だろうか」と心が締め付けられたという。
 「少しでも自分にできることはないか」。震災後に行われた講演会の出演料を被災地に送金。出版部数が2万5000
冊に上る著書や翻訳本の印税の一部を送る準備を進めている。
 さらに講演会で、来場者に被災地支援を訴えているほか自身のホームページ「夢紡ぐ綾」でもJDS(日本ダウン症協
会)−事務局・東京都ーを通じた義援金の協力を呼びかけている。
 「私が周囲に見守られて前に進めたように、『多くの人々の心が皆さんに寄り添っています』と被災者に伝えたい」と岩元
さん。日本ダウン症協会は「障害を持つ人やその家族は金銭的、精神的に余裕がない場合も少なくない。支援は本当に
ありがたい」と感謝している。(大原一郎)

「被災された方々の気持ちに
寄り添いたい」と話す岩元さん

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朝日新聞[2008年6月28日]に紹介

読売新聞{2011・7月14日}に紹介

「被災障害者の力になりたい」

ダウン症女性が支援活動

 

新聞記事 No.2

 東日本大震災で被災した障害者を支援しようと、国内のダウン症患者で初めて4年制大学を卒業した
霧島市の岩元綾さん(37)が講演料や自身の半生をつづった著書の印税などを義援金として送る活動
を行っている。岩元さんは「障害者は被災地で取り残されがち。少しでも力になりたい」と語る。
 岩元さんは鹿児島市生まれ。生後すぐに21番染色体が1本多い異常によって起こるダウン症と診断さ
れた。発達の遅れや内臓疾患を伴うことが多く、岩元さんも心臓などに合併症を抱えながら小中高と普通
学級に通い、1998年に鹿児島女子大(現・志学館大)の課程を修了した。